「収入が増えなくても可処分所得を増やす方法」 

家計改善の「実践的」且つ「正攻法」の方法を紹介して行きます。

固定費削減具体編① 携帯電話代

■取り組む内容:携帯電話契約の格安SIMへの変更
■1年間の費用削減期待額:1人当たり6万円程度
■取り組み優先度:★★★★★(★5つが最高)
■ポイント:解約条件の緩い格安SIM会社と契約し、まず試してみるのが一番!

固定費削減の中でも携帯電話代の見直しは最も効果が期待出来る一方、使用の満足感も3大キャリア(NTTドコモauソフトバンク)利用の場合と比べて遜色ない場合も多く、固定費削減を考える上で、一番最初に着手すべき内容と言えます。

■そもそも携帯電話代の平均ってどれくらい?
2019年のモバイルマーケティングデータ研究所の調査によると、スマートフォンの平均月額料金は大手3キャリア(NTTドコモauソフトバンク)ユーザーは8,451円である一方、格安SIMユーザーは2,753円となっています。

大手3大キャリアから格安SIMへ携帯電話契約を変更すると、平均的に1人当たり月5,000円、年間6万円は削減出来ると言うことです。夫婦2人で移行されたら、月1万円、年間12万円の削減効果になります。10年継続すると、100万円を超える削減額も見えてきます。

格安SIMって?
その名の通り、格安の料金で利用できる携帯電話サービスです。大手携帯電話会社は自前の基地局やアンテナを建てますが、格安スマホ会社は大手携帯電話会社から回線を借りてくるため、コスト(設備投資や人件費)が低く抑えらえ、3大キャリアより圧倒的に安い料金での携帯電話利用が可能です。

■どういうプランがあるの?
主に「データ通信のみ」と「音声電話+データ通信」のプランがあります。前者で月額500円程度、後者で1,500円程度の基本料金が平均的です。

■どこで契約できるの?
格安SIM会社の「公式サイト」「店舗」「家電量販店の窓口」等で契約が可能です。

■現在使用している携帯端末はそのまま使える?
前提として、「SIMカード」と「SIMロック」について最初に説明します。

●「SIMカード
スマートフォンには「SIMカード」という加入者情報が記録されているカードが差し込まれています。この「SIMカード」によって、スマートフォンを誰が利用しているかが識別可能となり電話やデータ通信が可能となる仕組みです。

●「SIMロック
携帯電話3大キャリア提供のスマートフォンには、他社の「SIMカード」を差し込んでも利用できないような制限が加えられている場合があり、これが「SIMロック」です。NTTドコモの「SIMロック」のかかった端末にauソフトバンクの「SIMカード」を差し込んでも利用できない、ということです。

●回答① - 格安SIM会社が借りてる回線と今契約している携帯電話会社が一緒なら原則使用可
格安SIMで利用する回線が「SIMロック」が掛かっている端末を提供している携帯電話会社と同じであれば、端末は原則利用可能です。NTTドコモの「SIMロック」が掛かっている端末でも、NTTドコモの回線を利用している格安SIMであれば使用できるということです。

殆どの格安SIM会社はNTTドコモの回線を利用したプランを提供していますので、現在NTTドコモユーザーの方はあまり神経質になる必要はありません。

auソフトバンクユーザーの方でSIMロックのかかった端末を利用していて、格安SIMに移行される際にはauソフトバンクの回線を利用するプランに加入する必要があるということです。

●回答② - 「SIMフリー端末」の利用もしくは「SIMロック解除」をした端末であれば原則利用可
SIMフリー端末というそもそも「SIMロック」がかかっていない端末を購入すれば、「SIMロック」を気にすることなく、格安SIM会社の回線でも利用可能です。

また、2015年以降発売されたスマートフォンに関しては、「SIMロック」の解除が義務化されています。

お持ちの端末が「SIMロック」が掛かっているかどうかは、契約されている携帯電話会社のショップで確認することが出来ますし、Android端末であれば、機種によっても違いますが「設定」→「端末情報」→「SIMカードの状態」等でステータスが「許可」になっていればSIMロックが解除済みとの確認も出来ます。

SIMロック」が掛かっている際の解除方法については、以下で確認可能です。
NTTドコモ 
au 
ソフトバンク 

iPhoneも使えるの?
格安SIM会社が動作認証確認済みの端末であれば、iPhoneも利用可能です。動作認証確認済みの端末は各格安SIM会社のHPで確認出来ます。

■今の電話番号をそのまま使える?
MNP(モバイルナンバーポータビリティ)という制度を利用して、携帯電話会社を格安SIM会社に変更しても、現在の電話番号をそのまま使用可能です。また、MNP(モバイルナンバーポータビリティ)を利用する際には所定の手数料がかかります。

■どの会社と契約すれば良い?
「解約条件が緩い会社」を選ぶことをお勧めします。音声電話のないデータ専用プランであれば、殆どの場合解約料金は発生しませんが、音声電話付プランの場合、契約後一定期間を経過するまでの解約には解約料金がかかることが殆どです。

格安SIMと契約する際に、「繋がりづらかったらどうしよう」「なんとなく不安」といった気持ちをお持ちの場合は実際に使用して、気に入らなかった際に解約しやすい会社であれば、契約のハードルは一気に低くなります。

■解約条件の緩い格安SIM会社は?
2020年6月現在で、格安SIM会社の中で、音声電話付プランの解約条件が緩いのはMineoかAeonモバイルです。この2社は契約後の解約は契約期間に関わらず現状ありません。

Mineo  
Aeonモバイル 

但し、音声電話付プランでMNP転出(電話番号を変更せずに契約を他社に変更)の場合には手数料がかかります。この2社に関しては、店舗もあるためサービスを対面で受けることも可能です。

データ通信のみの契約であれば、殆どの格安SIM会社では解約の縛りはありません。

格安SIM会社の経営は大丈夫?
格安SIM会社も会社である以上、倒産する可能性がないということはありません。一方、契約しているユーザーがいる以上、経営難になった場合は競合他社が経営を承継する可能性が高く、サービス自体が受けられなくなる可能性は高くはないと言えます。

格安SIM会社の経営状況が不安ということであれば、大手上場企業の子会社を選ぶと良いでしょう。解約条件が緩い会社として紹介しているMineoは関西電力の子会社、Aeonモバイルはイオンの子会社です。

格安SIMって不便じゃないの?
格安SIM利用のデメリットとされるものについては、対処法があるものが殆どです。

●「~@docomo.ne.jp」「~@ezweb.ne.jp」「~@softbank.ne.jp」等のアドレスが使えない
Gmail等のフリーアドレスで代替可能です

●有料サービスのキャリア決済(携帯電話料金を3大キャリア経由で支払う)が使えない
→他の決済方法に変更可能です キャリア決済のみ対応のサービスは多くありません

●通話料金が高い
IP電話のサービスを利用すれば格安で電話が可能です

●店舗でのサポートが期待できない
→店舗がある格安SIM会社を選べば良いです 解約の縛りが緩い観点からお勧めしたMineoやAeonモバイルであれば店舗もあります

●Jアラート(全国瞬時警報システム)が使えない場合がある
→Yahoo防災等の類似機能を持つアプリをインストールすれば同様のサービスを受けられます

●LineのID検索が使えない
→バーコード読み込み等別の方法で友人追加は可能です

●データ通信が繋がりにくい、遅い
→一般的に繋がりやすいかどうかではなく、ご自身がデータ通信を利用される場所と時間帯で快適に使えるかどうかが問題ですので、加入後解約しやすい格安SIM会社と契約して試してみるのが一番の方法になります

格安SIM会社と契約する時の注意点は?
●なるべく、既存契約との平行期間を設ける
解約条件の緩い格安SIM会社と契約することが前提ですが、既存契約を解約する前に平行して格安SIMを利用する期間を設けることが無難です。

携帯電話という大事なインフラになりますので、各種不都合がないかを確認した上で、契約を完全移行することがベターな選択となります。

●ショートメッセージは利用可能とする
ショートメッセージは月額料金や送信ごとにコストがかかる場合が多いですが、月額料金も100円程度と少額であること、ショートメッセージでの連絡を好む方もいること、ワンタイムパスワードでショートメッセージを利用する必要がある場合も多いので、契約することをお勧めします。

●音声電話付プランにするか、データのみプランにするかどうかはケースバイケース
音声電話なしの契約であれば、料金は月500円程度まで安くなります。但し、固定電話を保持してない場合本人認証に携帯電話番号(IP電話ではないもの)が必要になる場合がありますし、IP電話のみでは通話の音質が不満という方もいらっしゃると思います。

そういった場合には音声電話付プランを契約すれば良いです。データ通信のみプランと比較して月額料金で1,000円程度の増加となりますが、3大キャリアの料金と比較すればそれでも充分安いです。

一方、徹底的に固定費をを落としたい、音声電話はなくても困らない場合にはデータ通信のみのプランを契約すれば良いでしょう。

■管理人はどうしてるの?
Mineoの音声電話付プラン(NTTドコモ回線使用、月3GBデータ通信可能)でショートメッセージも追加で契約しています。契約したのは2016年ですが、当時から料金はプロバイダ間で差異は大きくなかったので、解約条件の緩かったMineoにしたという経緯です。
家ではWifiに接続し、モバイルデータ通信で動画は観ないので、3GBデータのプランです。音声通話は原則利用せず(電話はそもそも殆ど利用しないのですが)必要な際にはIP電話を利用するようにしています。
この利用方法で、携帯端末は別途一括購入して税込みで月2,000円を超えることは殆どありません。